エンジニア転職「市場」vs「社内」3つの比較ポイント

未経験だけど、エンジニアやプログラマーに挑戦してみたい!

と考えたとき、まず浮かぶのは転職サイト等を活用して転職市場の中から求人を探し、社外へ転職することだと思います。

しかし実はもうひとつ道があり、それは社内で部署や職種を変える「社内キャリアチェンジ」という方法です。

私自身も、10年以上前に事務職からエンジニアへ社内キャリアチェンジを果たしました。

本記事ではまず「市場」と「社内」を比較する3つのポイントを解説し、そのうえでメリット・デメリットや私自身の体験談も紹介します。

この記事を読むと分かること
  • 「市場」と「社内」の比較ポイント3つ
  • メリット・デメリット
  • 筆者の体験談(事務職→エンジニア)
目次

エンジニア転職は市場?社内?3つの比較ポイント

エンジニア転職をする際、市場と社内の比較ポイントと、本記事の結論を表でまとめます。

スクロールできます
市場
🚀
社内
🏢
①環境変化大きい小さい
②キャリアアップ
スピード
早めゆっくり
③未経験からの
難易度
高めやさしめ
エンジニア転職「市場」と「社内」の比較ポイント

それでは、それぞれの比較ポイントを解説していきます。

比較①環境変化の大きさ

比較① 環境変化の大きさ
  • 市場🚀:環境変化が大きい
    • 勤務地
    • 給与
    • 福利厚生
    • 人間関係
  • 社内🏢:環境変化が小さい
    • 人間関係(異動時)

「市場🚀」での転職の場合、まず勤務地が変わるため通勤ルートや住居への影響があります。さらに、給与や福利厚生といった条件も変わり、職場の人間関係も一変します。

すべては転職先の会社によるため、良くなるケースもあれば悪くなる可能性もあり、市場の方が環境変化の大きさにリスクが潜んでいると言えるでしょう。

「社内🏢」でのキャリアチェンジの場合、職場異動で人間関係は変化する可能性はありますが、勤務地、給与、福利厚生といった条件は大きく変わりません。

まとめると、「安定重視なら社内」「リスクを取ってでも挑戦したいなら市場」という構図になります。

比較② キャリアアップのスピード

比較② キャリアアップのスピード
  • 市場🚀:キャリアアップが早め
  • 社内🏢:キャリアアップがゆっくりめ

「市場🚀」での転職の場合、自分の実力や学んだスキルに応じてすぐに新しい環境へ飛び込めます。

もちろん未経験から挑戦する場合はスキルの習得に時間がかかりますが、即戦力として求められるスキルを持っていれば、短期間でキャリアアップできる可能性もあります。

「社内🏢」でのキャリアチェンジの場合、まず制度によって募集期間が限られていたりして、自分の希望通りの時期に挑戦できるとは限りません。大企業ほど異動のタイミングが限定的です。

また、社内でのキャリアチェンジの場合、「いきなり高度な仕事を任せる」というより「まずは周辺業務で慣れてもらう」というスタンスを取る傾向があります。

そのため、最初から設計やコーディングのような業務ではなく、保守やテストのような業務から始まり、バリバリ開発でスキルを習得したい人には物足りない可能性もあります。

スピードを優先するなら市場、腰を据えて準備したいなら社内が有利です。

比較③ 「未経験から挑戦」の難易度

比較③ 「未経験から挑戦」の難易度
  • 市場🚀:未経験だと難易度が高め
  • 社内🏢:未経験でも難易度がやさしめ

「市場🚀」での転職の場合、応募者全員がほぼ「書類とスキル」で比較されるため、未経験者は不利になりやすいです。

とはいえ、スクールや独学でポートフォリオを作り、市場価値を高めることで突破口を開く人も多くいます。

「社内🏢」でのキャリアチェンジの方が、未経験からエンジニアへ挑戦しやすい場合があります。

なぜなら、すでに会社内で信頼関係があり、人柄や勤務態度を評価してもらえるため、スキル不足をある程度カバーできるのです。(私自身もこのパターンでした!)

未経験から挑戦できる難易度という観点では「社内有利」と言えそうです。

🏢社内キャリアチェンジ(社内転職)の特徴

実際に社内で事務職からエンジニアに転職した経験から、社内キャリアチェンジのメリット・デメリットを解説します。

メリットデメリット
会社を辞めずに挑戦可能
未経験でもチャンスあり
情報収集しやすい
築いた人間関係が生きる
勉強がハード
職種・時期が限定的
元の職種に戻れない

🏢メリット①:会社を辞めずに挑戦できる安心感

社内キャリアチェンジの最大の魅力は「辞めずに挑戦できる」ことです。

給与や社会保険などの待遇は維持されるため、生活の不安を抱えずに新しいキャリアをスタートできます。特に子育て世代やローンを抱えている人にとって、収入が途切れないのは大きなメリットです。

また、途中で挑戦を諦めることになったとしても元の職種で働き続けることができるので、

転職成功するつもりで会社辞めちゃったのに、どうしよう…!

というケースを防ぐことができます。

リスクを抑えながらステップを踏めるのは社内ならではの利点です。

🏢メリット②:未経験でもチャンスを得やすい

社外の転職市場では「即戦力」が強く求められるため、未経験者には厳しい場合があります。

その点、社内キャリアチェンジではこれまでの勤務態度や周囲との信頼関係が評価されるため、スキル不足を補えることが多いです。

私の場合も、事務職からエンジニア職への異動を希望した際、これまでの仕事への姿勢を認めてもらえたおかげで挑戦する道が開けました。

🏢メリット③:同じ社内なので情報収集しやすい

社外の転職市場の場合、希望の会社の情報を得るためには会社の公式サイト・口コミサイト・転職エージェントなどが考えられます。

いずれも有力な情報源ではありますが、まったく関りが無い他社だと自分が希望している職種や部署に関するドンピシャな内容を知るのは難しい場合もあります。

一方、社内でのキャリアチェンジであれば、部署や職種が変わると言っても同じ社内です。自分が希望する職場で実際に働いている人に、リアルな状況を教えてもらうことも可能です。

大手企業の場合、「部署が離れると知り合いがいない…」というケースもあるかもしれませんが、上司に相談すれば意外とつながっていて取り次いでもらえる可能性も。

他社だと事前の情報を入手するハードルが高いですが、社内の場合は事前にしっかり情報収集することが可能です。

🏢メリット④:会社で築いた人脈や人間関係が生きる

会社でこれまで働いてきたあなたなら、同期や先輩、後輩、上司など、社内での人間関係が構築されていると思います。

社内でのキャリアチェンジであれば、このような人脈が生きてくるケースもあります

私の場合も最初は事務職でしたが、周囲にエンジニア職の人がいたので、スキル習得や試験対策のために多くの上司・先輩にサポートしてもらいました。

私が挑戦していることを知って同僚も応援してくれるなど、メンタル的にも支えがありました。

社外への転職は今の職場では話しづらいですが、社内キャリアチェンジであれば周囲の人に打ち明けやすく、思わぬサポートが受けられる可能性もあります。

🏢デメリット①:勉強がハード

社内キャリアチェンジは会社を辞めずに挑戦できる安定感がありますが、裏を返せば、今の仕事を続けながらスキル習得の勉強をする必要があります

制度の中に研修カリキュラムが組み込まれていて、その期間は勤務時間中に学習できる!というようなパターンであれば最高です。

しかし、そこまで手厚く制度が整えられていないことが多く、社内であってもキャリアチェンジのために「〇〇の資格があること」などの条件つきのケースもあります。

通常の勤務をこなした上で勉強時間を確保しようとすると、必然的に趣味などに割ける時間は減ります

エンジニア職は数ヶ月単位でスキル習得が必要なため、「働きながらの勉強はハード」と覚悟しておかなければなりません。

🏢デメリット②:職種・時期が限定的

社内でエンジニア職を希望しても、必ずしも異動できるとは限りません。会社の人員計画や部署のニーズ次第で「待ち」が発生することもあります。

また、制度自体が整っていない企業も多く、希望が通らずにモチベーションを失うケースもあります。

異動の可能性を探るには、まずは人事や上司に相談し、社内公募制度やスキルアップ研修の有無を確認しておくことが大切です。

🏢デメリット③:元の職種に戻れない

社内キャリアチェンジを果たした後、「やっぱり前の職種の方が良かったかも…」と思っても、戻ることはできません。

私も実際にエンジニアになってみて、想像以上に仕事がキツく「事務職のままの方がよかったかな…」という考えが頭をよぎったこともあります。

もちろん社外への転職でも元の職場には戻れないのですが、同じ社内だと以前の職場が目に触れるケースもあり、後悔を感じやすい可能性があります。

🚀転職市場でのキャリアチェンジの特徴

私は社外への転職経験はありませんが「今振り返ると、思い切って外の会社への転職もありだったかな~」と感じることがあります。そんな自分目線で、転職市場のメリット・デメリットを紹介します。

メリットデメリット
幅広い求人から選べる自由度
スキル次第で給与アップも
未経験だとハードルが高い
環境変化が大きい

🚀メリット①:幅広い求人から選べる自由度

転職市場を活用する最大の魅力は「選択肢の多さ」です。

社内にエンジニア職がなかったり、希望する分野の部署が存在しなかったとしても、外に目を向ければ自分の理想に近い求人が見つかる可能性が高まります

私も選択肢が無く組み込みエンジニア一択でしたが、今思えばWeb系など他の業界も見ておきたかったです…。

未経験歓迎の求人から即戦力を求めるポジションまで幅広く、勤務地や働き方も多様です。特に近年はリモートワーク可能な企業も増えており、ライフスタイルに合わせた働き方も選びやすくなってきています。

「自分がどんなキャリアを描きたいか」を軸に会社を選べる自由度の高さが、市場での転職ならではの強みです。

🚀メリット②:スキル次第で給与アップも可能

転職市場では、自分のスキルや経験がそのまま市場価値として評価されます。

特にIT・エンジニア職は需要が高いため、企業が人材を獲得したい気持ちから給与アップを提示するケースも珍しくありません。

社内異動では給与や役職が横ばいになりがちですが、市場での転職なら年収が大幅に上がるチャンスもあります。

ただしこれは「スキルを証明できる場合」に限られるため、ポートフォリオや資格などで強みを見える化しておくことが重要です。

努力が直接待遇に反映されやすいのが、市場を利用するメリットといえます。

🚀デメリット①:未経験だと採用ハードルが高い

一方で、転職市場では「即戦力」を重視する企業が多いため、未経験者が応募すると選考の壁を感じることも少なくありません。

書類選考で落とされやすかったり、面接で「実務経験がない」という理由で不採用になるケースもあります。

未経験OKと書かれていても、実際は研修コストを抑えたい企業が多く、ポテンシャル採用は限られているのが現実です。

そのため、まずは基礎的なプログラミングスキルを身につけたり、ポートフォリオを用意するなど、最低限の準備をしたうえで挑戦することが必須となります。

🚀デメリット②:環境が大きく変わるリスク

転職市場で新しい会社に入る場合、環境が大きく変わる点は避けられません。

職場の文化や人間関係、評価制度などは実際に働いてみないと分からない部分が多く、場合によってはミスマッチを感じることもあります。

さらに、即戦力として期待される分、入社直後から高い成果を求められることもあり、精神的な負担は社内異動より大きいでしょう。

もちろん新しい環境で得られる成長は大きいですが、その分リスクも伴うため、自分の適応力やサポート体制を考慮して判断することが大切です。

どちらを選ぶべき?3つの判断ポイント

結局、転職市場と社内キャリアチェンジのどっちを選べばいいの?

と悩んでいる方に向けて、判断のポイントを3つ紹介します。

今の会社にエンジニア職があるか確認する

まず確認すべきは「今の会社にエンジニア職が存在するか」です。

もし部署があるなら、社内異動で挑戦するのはリスクが少ない選択肢です。会社の文化や仕組みを知っているため、環境適応のストレスを抑えながらスキルを伸ばすことができます。

自分のスキルと市場価値を客観的に把握する

市場での転職を考えるなら、まずは自分のスキルがどの程度評価されるかを客観的に把握することが大切です。

自分のスキルを客観的に把握するためには、以下のような手段があります。

  • 転職サイトに登録してスカウトを受ける
  • 求人票を調べて「必要なスキル」を確認する
  • 転職エージェントに相談・判断してもらう

未経験からエンジニアを目指す人におすすめの転職エージェントまとめ記事もあるので、興味のある方はぜひ。

「社内で挑戦 → 難しければ市場へ」という選択肢も現実的

一度社内で挑戦してみて、思うようにキャリアが広がらなければ転職市場に出る、という二段構えの選択肢も現実的です。

社内で基礎を学んでから市場に挑戦することで、採用ハードルを下げ、より有利な条件で転職できる可能性も高まります。

まとめ

社内キャリアチェンジはリスクを抑えて挑戦できる

知っている環境で始められる社内キャリアチェンジは、不安を減らしながら転職を試せる安心感があります。

転職市場は自由度と成長機会が大きい

一方で転職市場は、より自由に会社や働き方を選べるだけでなく、努力次第で年収アップや大きな成長を得られるチャンスがあります。

自分の状況に合った道を選ぶのがベスト

どちらが正解ということはなく、重要なのは「自分のキャリアの軸」に合わせて選ぶことです。

安定を重視するなら社内、成長を重視するなら市場、と軸を持って判断することで後悔のない選択につながります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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