エンジニアへの転職を考えてるけど、資格って取った方がいいのかな…。実際の体験談を聞きたいな。
IT関係の仕事への転職を考える際、資格を取るべきかは悩ましい問題ですよね。
そこで今回は、自分が事務職から組み込みエンジニアに社内転職した時に取得した資格についてお話します。
資格取得は勉強時間もかかり大変でしたが、
- 知識が身につきスキルアップになる
- 客観的にスキルを証明できる
- 転職後に楽できる
というメリットがありました。
特に②の客観的にスキル証明できることは未経験からの転職の場合は効果が大きいです!!
自分も転職する前に「資格って必要なのかな…、勉強も時間かかりそうだしなぁ。」と迷ったり苦労した時期があったので、同じように悩んでいる方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
組み込みエンジニア転職時の保有資格
自分が事務職から組み込みエンジニアへ転職した際に保有していた資格は、ズバリ以下の2つです。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
厳密には、①基本情報技術者試験は学生時代に運良く取得していたため、転職に向けて新たに取得したのは②応用情報技術者試験のみでした。
2つの資格はいずれも IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 の国家資格です。
それぞれの資格について、詳しく紹介していきます。
基本情報技術者試験
実施時期 | CBT方式で随時実施 |
試験時間 | 190分(午前90分/午後100分) |
出題形式 | 多肢選択式(午前4択/午後多肢) |
合格率 | 約20~30% |
勉強時間の目安 | 約200時間 |
受験料 | 7,500円 |
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門とも呼ばれる資格で、IPAもITエンジニアを目指す人に取得を推奨しています。
以前は年に2回しか実施されていませんでしたが、2023年度からCBT方式で随時実施に変更されています。
CBT方式は、試験会場に設置されたコンピュータを使用して実施する試験です。
詳しくは以下の公式サイトをご確認ください。
自分は高校生の時にたまたま情報処理の学科だったため、「基本情報技術者試験の取得を目指すこと」が授業に組み込まれていました。
勉強時間の目安が約200時間と言われる通り、約1年の間、基本情報技術者試験に関わる授業が1日1~2時間ありました。
- 学校の授業で情報処理の基礎知識を学ぶ
- 学校の授業でタイピング・プログラミングを学ぶ
- 学校の授業で過去問を解く
正直、情報処理にそれほど興味がなかったのでなかなか辛かった思い出があります…。
しかし、学校の授業なので周囲に仲間がいたのと、厳しめな学校でサボったりすることも出来なかったので、何とか乗り越えることが出来ました。
応用情報技術者試験
実施時期 | 年2回(4月、10月) |
試験時間 | 300分(午前150分/午後150分) |
出題形式 | 午前:4択/午後:記述式) |
合格率 | 約20%前後 |
勉強時間の目安 | 基礎あり:約200時間 基礎なし:約350時間 |
受験料 | 7,500円 |
応用情報技術者試験は高度IT人材と呼ばれるワンランク上のITエンジニアを目指すための資格です。
基本情報技術者試験から技術の内容がレベルアップするのはもちろん、プロジェクト管理や経営に関する問題も出題されるようになります。
勉強時間の目安としては、既に基本情報技術者試験を取得していたり、ITの基礎知識がある場合で約200時間、その他の場合は約350時間となっています。
詳細は以下の公式サイトをご確認ください。
自分が勉強にかけた時間は数えていないためハッキリ出せないのですが、以下をコツコツと取り組み、半年くらい継続していたのではないかと思います。
- 会社の教育でプログラミングを学習
- 通勤中に過去問道場の問題を解く
- 帰宅後や休日に参考書の問題や過去問を解く
社内転職に向けて面倒を見てくださっていた上司から「社内転職までに応用情報合格しておこう!」という愛のあるプレッシャーがあったので、
これは何とか一発で合格しないと…!
という気持ちで取り組み、無事に合格することが出来ました。人間ある程度追い込まれると力を発揮できるものですね。
資格取得のメリット
業務に必要な知識やスキルが身につく
資格を取得するためには、当然ですが試験範囲の勉強をする必要があります。
自分が目指す職種と関係が深い資格であれば、試験勉強で習得した知識やスキルを業務に生かすことが出来ます。
自分の場合は、組み込みエンジニアへの転職だったので、プログラミングのスキルや業務でも使う情報処理の知識を身につけることができ、資格取得は役に立ったなと感じています。
客観的にスキルを証明できる
転職試験を受ける際、面接官はあなたのことをよく知りません。
特に未経験や異業種からの転職の場合、同じような条件の人が並んでいたら資格を持っている方が有利になります。
実際自分も、社内転職といえど試験や面接に合格する必要があり、自分のことをよく知らない他部署の人に対して自分のスキルを証明するために応用情報技術者試験を必死で取得しました。
転職後に楽できる
資格を取得することで基礎が身についているので、エンジニアへの転職後にも業務内容の理解がしやすいです。
また、これは会社によりますが既に在職中の社員に対しても「IT資格を取得しよう!」とフォローされる場合があります。新卒入社の優秀なエンジニアでも、資格を持ってない人はけっこういます。
自分の会社でもIPAの資格取得が推奨されていて、未取得の場合
「基本情報取った?」
「応用情報取った?」
「頑張ってエンベデッド挑戦しようか!」
と定期的に上司から声かけがあります。特に応用情報技術者試験までは、フォローが厳しめです。
幸い自分は資格取得後に社内転職したので、そこまで厳しく言われることもなくラッキーだなと思っています(笑)
資格取得のデメリット
勉強に時間がかかる
目指す資格の難易度にもよりますが、試験に合格するためには相応の勉強時間が必要です。
特に転職を考えている人の場合、今の会社での業務もあり、転職活動もあり、日常の家事育児もあり…と既に忙しい毎日を過ごしているはずなので、勉強時間を捻出するのは大変なことです。
飲み会や趣味の時間、休日を利用するなど、今までの生活を変えて取り組まなければならないので、時間と強い意志が必要になります。
受験料や教材費がかかる
資格試験を受けるためには、ほとんどの場合受験料がかかります。また、参考書や過去問集などの教材を買う場合は教材費も必要になります。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験はいずれも7,500円なので、2つ合わせると15,000円というなかなかな出費になります。なお、自分が受けた時は5,000円だった気がするので、いつの間にか値上がりしていたようです。
自分は質素な生活を送るタイプなので、
こ、この試験に落ちたら5,000円が水の泡…!
と「落ちたら受験料がもったいない」という気持ちもモチベーションの一部になっていました。
他の事例では、AWS認定試験というAmazonのWebサービスに関する資格は、1つあたりの受験料が15,000円~40,000円と高額です。全冠制覇を目指すと、なんと30万円弱の出費となります。
難易度が高いと心が折れる
一念発起して資格取得を目指しても、あまりに難易度が高いと心が折れて自信を失ってしまう場合もあります。
この資格が取れないようじゃ、エンジニアなんて無理だ…
と思ってしまうこともあるかもしれませんが、エンジニアでも資格を持っていない人は大勢います。
自分のスキルにまだ合っていない、睡眠時間を削ったせいで疲れすぎて捗らない、など、仕方がない理由があるかもしれないので、辛すぎる場合は一旦資格取得は保留にしておいた方がよいかもしれません。
資格は絶対必要?
資格が無くても仕事は出来る
資格を持っていなくても、ITエンジニアとして働くことは出来ます。
実際自分の周りでも、無資格でとんでもなく優秀なエンジニアはたくさんいます。
ただ、資格は持っていなくても
- 大学時代に研究室でガッツリ研究や開発をしていた
- 趣味でロボットを作りまくっている
というように、資格以外の手段でスキルを磨いています。
そのため、未経験からエンジニアを目指す場合には、基礎を身につけるためにも資格取得へのチャレンジは非常に有意義なことだと考えます。
実務経験やポートフォリオも重要
エンジニアへの転職を目指す場合、資格以外だと実務経験やポートフォリオが重要視されます。
実務経験とは、エンジニアとしての経験があるかということ。
就活におけるポートフォリオとは、自分自身の作品集のことです。例えば、自分で実際に作ってみたWebサイトやアプリなどですね。
未経験からエンジニアを目指す場合、当然実務経験は無いので、準備するとしたらポートフォリオになります。
資格の勉強は苦手だけど、実際にプログラミングで何か作ってみるのは楽しそう!
と思える方は、自分のスキル証明のためにもぜひ作品作りにチャレンジしてポートフォリオを構築しましょう。
最後に
独学が難しい場合は通信学習やスクールも視野に
今回は、自分が社内転職の時に取得した資格についてお話しました。
自分は周囲の環境に恵まれたおかげでなんとか資格取得できましたが、自分1人で勉強し続けるのは鋼のように強い意志が必要です。
今回お話した基本情報技術者試験と応用情報技術者試験については、通信学習やスクールで人から学ぶことも出来るので、
ひとりで頑張り続けるのが辛くなってきた…
という方は、一度利用を検討してみてもよいかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント