組み込みエンジニアが使うプログラミング言語5選。特徴も解説!

・組み込みシステムで使われるプログラミング言語ってなんだろう?
・組み込みエンジニアを目指したいけど、何の言語から学べばいいんだろう?

組み込みエンジニアに興味がある、またはこれから組み込みエンジニアを目指してみたい!という方は、どのプログラミング言語が使われているか気になるのではないでしょうか。

結論から言うと、C言語は必須です。

組み込みシステムの特徴である「ハードウェア制御」をするためにはC言語が必要になります。

自分も組み込みエンジニアで、9割以上はC言語です

製品によってはC言語以外の言語も使われるので、それぞれの言語について解説していきます。

目次

組み込み開発の特徴

ハードウェア制御

組み込み開発は、家電製品や医療機器、自動車などの「ハードウェア」に「ソフトウェア」を組み込みます。

「ハードウェア」と「ソフトウェア」は、人間で言うと「身体」と「脳」のようなイメージです。
(細かいことを言うと「マイコン」も重要なのですが、少しややこしくなるためここでは割愛します。)

ハードウェア=機械
ソフトウェア=機械を動かすためのプログラム
を指しています。

電気ポットを例を挙げると、以下のような仕組みになっています。

組み込み製品の動作例:電気ポット
  • ポット(ハードウェア)の「沸とう」ボタンを押す
  • ボタンが押されたことでソフトウェアが動く
  • ソフトウェアが沸騰を命令する
  • ポット(ハードウェア)の電熱線が過熱されて沸騰を開始する

このように、組み込み製品では人の操作に応じて機械を動かす、という特徴があります。

リソース制約

「リソース」とは、直訳すると「資源」や「資産」という意味です。

製品に組み込めるソフトウェアの大きさは限られています。
SDカードやスマートフォンなどでも、16GB(ギガバイト)、32GB、64GB…と容量が大きくなるほど値段が高くなりますよね。

組み込み製品でも同様に、ソフトウェアを組み込むための容量を大きくすればするほど、費用が高くなります

そのため、「必要な機能はすべて搭載するけど、できるだけソフトウェアの容量は抑えて製品を安くしたい」ということから、ソフトウェアのサイズを限られたリソースの中に収める、という制約が発生します。

セキュリティ対策が重要

近年、家電製品や医療機器、自動車など、多くの組み込み製品がインターネットにつながるようになってきています。

離れた場所からも操作できるなど非常に便利な反面、インターネット通信をのぞき見されたり、攻撃されたりするなどのリスクも潜んでいます。
最悪のケースではハッキングされて他人から操作されてしまうようなことも考えられます。

そのため、組み込み製品ではセキュリティ対策も非常に重要です。

AIなどの新技術も

AI(人工知能)の進化により、組み込み製品にもAIが導入されて高度な機能が実現できるようになりました。

例えば、以下のようなことです。

組み込み製品へのAI導入事例
  • 家電製品:人の動きに合わせて動作を切り替える
  • 自動車 :自動運転
  • 医療機器:各データから病名分析、診断

今後もAIの機能はどんどん増えていくと予想されるので、組み込み製品にもAIを扱うのに適したプログラミング言語の需要が高まりつつあります。

組み込みでよく使われるプログラミング言語

C言語

開発年1972年
特徴プログラムの実行速度が速い
プログラムのサイズが小さい
ハードウェアの制御が可能
自由度が高い
製品例家電製品
自動車
医療機器
産業用ロボット

C言語は組み込み製品で主に使用される言語です。自分も組み込みエンジニアになってからは、ほぼC言語、ごくまれにアセンブリ言語(後述)を使っています。

ハードウェアを制御することができ、実行速度も速いことから、機械を操作するのに適しているため、組み込み製品に向いています。

また、プログラムのサイズが小さいことも、リソース制約がある組み込み開発に向いている理由の一つです。

C++

開発年1983年
特徴C言語の派生

C言語より複雑な構造
ハードウェアの制御が可能
製品例家電製品
医療機器
産業用機械
IoTデバイス

C++はC言語から派生した言語です。C言語と同じくハードウェアの制御が可能なため、組み込み製品でも多く使われます。

C言語と比較すると複雑な構造になっているため、十分理解していないと誤った使い方をしてしまう危険性が高くなっています。

アセンブリ言語

開発年1940年代
特徴機械語に近い

特定のハードウェアで使用
製品によって文法が異なる
製品例マイクロコントローラ
デバイスドライバ
リアルタイムシステム
ファームウェア

アセンブリ言語は、なんと1940年代から使われている歴史のある言語です。

ソフトウェアは以下のような流れで、機械語と呼ばれる「1」と「0」の組合せの言語に翻訳されます。

ソフトウェアの処理の流れ
  • 人間が分かる言語でプログラミング
  • 機械が分かる機械語に翻訳
  • コンピュータが機械語を実行

アセンブリ言語は機械語に近い言語で、機械(=ハードウェア)に近い部品で使用されるという特徴があります。

自分も基本はC言語で、「この処理はアセンブリ言語で書いてね!」というハードウェア特有の制約などがある場合にアセンブリ言語を使用しています

Java

開発年1996年
特徴C++と似た構文

組み込み以外でも幅広く使用
高いセキュリティ性
製品例自動販売機
エアコン
カーナビ
IoTデバイス

Javaは組み込み製品以外にもWebサービスやアプリなどさまざまな用途で使われる言語です。

開発当初からセキュリティを考慮した設計のため、他のプログラミング言語よりもセキュリティの安全性が高いという特徴があります。

インターネットとつながる組み込み製品にはセキュリティが重要なため、安全性が高いJavaは組み込み製品に適した言語となっています。

Python

開発年1991年
特徴C言語で作られている

単純で簡潔な文法
AI開発で多く使用される
製品例スマートホームデバイス
農業用センサー
医療機器
自動者の自動運転

PythonはC言語で作られているプログラミング言語です。

単純で誰が見ても分かりやすい文法となっていますが、引き換えにC言語と比較すると処理速度は遅いです。
そのため、Python単体ではなくC言語との組み合わせで使用されることが多いです。

AI(人工知能)開発で使用されることが多い言語で、AI機能を搭載する組み込み製品にも使われるようになってきています。

まとめ

まずはC言語から始めよう

「自分は絶対に組み込み開発でロボットや機械を動かしたいんだ!」という思いがある方は、まずはC言語の学習から始めましょう。

C言語は習得の難易度がやや高く、完全独学だと挫折する可能性が高いです。

  • 独学しつつ、人に質問できる環境を見つける
  • プログラミングスクールに通う

など、とにかく分からない時に人に聞ける環境を整えることで、挫折を防いでC言語のスキルを身につけられる可能性がアップします。

インターネット上でプログラミングの質問が出来るサイトを以下にまとめたので、よければ参考にしてみてくださいね。

C言語が学べるプログラミングスクールも以下にまとめているので、興味がある方はぜひ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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