
未経験からITエンジニアになった人の体験談が聞きたい!
と思っても、周りに未経験からITエンジニアになった人ってそんなに都合よくいないですよね…。
そこで今回は、筆者自身が未経験で事務職からITエンジニアになった時のことをお話しようと思います。
自分は社内での転職だったため転職サイトの使い方等は語れませんが、どうやって勉強してスキルを身につけたかはお伝えできるので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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未経験から組み込みエンジニアになった私の体験談
前提として、私は新卒で入社した会社内で事務職から組み込みエンジニアに転職しました。当時のことを振り返って、あれこれ書いていきます。
転職前の私のスペック(年齢・職歴・スキル)
組み込みエンジニアに挑戦する前の自分のスペックはこんな感じでした。
- 【年齢】20代前半
- 【職歴】事務職、正社員
- 【スキル】簡単なPC操作、ExcelVBA少し、基本情報技術者試験を保有
あれ、未経験なのに資格とか持ってる…
と思われた方もいるかもしれません。
筆者は高校時代にたまたま情報処理の授業があり、在学中に運よく基本情報技術者試験という国家資格に関する勉強と資格取得ができていました。
とはいえ、正直興味がある内容でもなく理解も難しかったので、当時「なぜ自分が基本情報技術者試験に受かったのか分からない」くらいのレベルでした。
転職を考えたきっかけ

転職を考えた頃、事務職の仕事でExcel VBA(Excel上でプログラミングできる機能)を使うようになって面白いなと思っていたので、仕事内容に対する不足や不満があったわけではありませんでした。
そこまで浪費しないタイプなので、事務職時代の給与でも生活していくには十分でした。
ではなぜエンジニアへの転職を考えたのかと言うと、
「なんとなく挑戦してみたくなったから」
です。
この記事を読んでいる方が拍子抜けしてしまうような理由かもしれませんが、正直な理由はこれです。
もう少し詳しく話すと、当時直属ではない上司から勧められて「少しやってみたいな」と思う仕事があり、自分の直属の上司に相談したところ
その仕事をやりたいなら事務職からエンジニアに転職する必要があるよ
という回答でした。続けて、
1週間くらいで考えてみてね
と、なかなか軽いコメントをいただきました。
事務職を続けるか、エンジニアに挑戦するか、そんな重大なことをたった1週間で考える必要がありました。

エ、エンジニアになる…?私が…?いや、無理じゃない??
当時の私はこんな感じで不安がいっぱいでした。頭が良いわけでもない自分に務まるわけがない。
でも、こんなチャンスが巡ってくることはきっともう二度とないかもしれない。もしかしたら、自分でも頑張ったらできるのかな。
悩みに悩んだ1週間後、私は上司に「(エンジニアへの転職を)やってみたいです」と伝えていました。
とはいえ、たった1週間で決めたことなので

あああ、やるって言っちゃった…。でもやっぱりやりたくないかも…。どうしよう、でもやるしかないのか…。
というように、上司への回答後も不安とちょっぴり後悔の気持ちでグルグルしていました。
最初は何から始めた?
とにもかくにも、最初はC言語プログラミングの勉強から始めました。
ありがたいことに、会社内で終業後にC言語の教育を受講できる機会があり、文法や基礎的な内容から体系的に学習することが出来ました。
最終的にどれだけ勉強・対策した?
他にも勉強することは盛りだくさんで、最終的にエンジニアへ転職するまでに約2年ほどかかったと思います。
- C言語の基礎を勉強
- コンピュータの基礎を勉強
- ハードウェアの勉強
- マイコン、OS等の勉強
- 応用情報技術者試験の取得
- 筆記試験用の勉強
- 志願書の作成
- 面接対策
本気でエンジニアを目指すためにやったこと
事務職から組み込みエンジニアを目指すための勉強の中で、特に意識した、頑張ったことをお伝えします。
学習時間の確保・生活との両立

エンジニア転職に挑戦することを決めた私は、とにかくたくさん勉強をしなくてはなりませんでした。
しかし、当時正社員フルタイムで働いていたので平日は毎日8時間勤務。リモートワークもほぼ無い時代だったので、もちろん仕事の日は出社が基本。その条件で、なんとか勉強するための時間を捻出する必要がありました。
ということで、以下のような時間を勉強時間に充てていました。
- 休日たっぷり
- 通勤の電車:往復30分
- 終業後の教育:1日1~2時間
- 趣味や遊ぶ時間を勉強時間に
とにかく勉強の優先度を上げて時間を確保するようにしていました。
当時は独身、一人暮らしだったので、自分の好きなように時間を使えたからこそ出来たことだと思います。パートナーや子供がいたりすると、この時のような生活は出来ないなと思います。
あと、今振り返るとやはり20代前半は体力がすごかったですね。今だったらまず無理です。悩んでいる方は、とにかく1日でも早く行動に移すことをおすすめします。
そういえば、当時の上司にも「あんまり頑張ると疲れちゃうよ…」と心配されていた気がします。
社内でC言語教育の受講

先ほども少し触れましたが、本気でエンジニアを目指すため、社内でC言語プログラミングの教育を受講しました。
- 開発環境「Eclipse」のインストール
- 最初の一歩「Hello World」を表示
- 基礎を教えてもらう
- 講師が出す例題を解いて動かす
- [4]を繰り返し
講師1人、受講生3人で定時後に週5時間くらい教わっていたと思います。
半年くらいかけて、よちよち歩きながらも、自分で書いたプログラムが動かせるようになりました。
派手なものを作ったわけではなく、文字のデータを表示したり並び替えたりという程度ですが、それでも自分で書いたプログラムが動いた瞬間はとても嬉しかったです。
今思えば教育があったことが本当にありがたく、プログラミングを独学しようとすると「開発環境の構築」や、「困った時に質問できない」「1人だとモチベーションを維持できない」等のつまづきポイントがたくさんあります。
講師がいたので分からないことはすぐに聞くことが出来ました。また、少人数だったため休むと目立つし、周りに置いていかれないようにモチベーションも上がりました。
この経験から、C言語プログラミングは少人数で人に教えてもらうのがとても効率的だと思っています。C言語を学べるスクールは非常に少ないので、興味を持った方は以下のまとめ記事も参考にしてみてください。

応用情報技術者試験の取得

経済産業省が認定する国家資格で、基本情報技術者試験よりワンランク上の試験です。
試験を受けた理由は以下です。
- 上司からのすすめ
- スキルアップになる
- 未経験でもスキル証明になる
- 転職先でも取得を推奨
自分は社内でエンジニアを目指すことになったので、上司が試験内容も把握していて指導やアドバイスをしてくれていました。そんな上司のすすめもあり、客観的にスキルをアピールするため応用情報技術者試験に挑戦することに。
社内の先輩のエンジニア達も全員が応用情報技術者試験を取得しているわけではなく、職場から取得を推奨されていたため「それなら先に取っちゃおう」ということでした。
参考までに、筆者の勉強方法を紹介します。
- テキスト1冊を繰り返し解く
- 応用情報技術者試験ドットコム で過去問を解く
テキストは何冊も買わずに、1冊を繰り返し解くスタイルでした。
応用情報技術者試験ドットコム というサイトは過去問が充実していて通勤中でも解くことが出来るのでオススメです。
試験用のレポート作成

会社のことなので詳しくは書けませんが、試験を受けるためにレポートを提出する必要がありました。
- 内容は社外秘のため割愛
- レポート作成
- 上司チェック
- 指摘修正
- [3][4]を繰り返す
これもなかなか大変で、事務職時代にはレポート作成の機会がなかったので、限られた文字数やページ数で、相手に伝わるようにまとめることの大変さを痛感しました。
上司のチェックと指摘修正を何度も繰り返し、「また直すの…!?」と心が折れかけながらも粘り強く取り組み、なんとか完成させることができました。
筆記試験対策

これも会社のことなので詳しく書けないのですが、応用情報技術者試験やプログラミングとは別の分野の内容です。
- 内容は社外秘のため割愛
- 参考問題をひたすら解く!
すべてを同時に勉強することは出来なかったので、「まずは応用情報技術者試験」「次は筆記試験」というように1つずつ目標をクリアしました。
正直、やることがたくさんありすぎて疲れていたのですが

こんなに大変な試験、絶対来年は受けたくない…!
という一心で、なんとかすべてを一発合格すべく必死で取り組んでいました。
面接対策

こちらも会社のことで詳しく書けないのですが、最終関門として人事部との面談がありました。
- 内容は社外秘のため割愛
- 上司と練習
- [2]から想定質問集を作成
- [2]と[3]を繰り返す
自分は人前で話すことが非常に苦手です。ただでさえ苦手なのに、面談ではITの知識が無い人にも分かりやすく説明をする必要がありました。
上司に面接練習をしてもらったのですが、最初の方の練習結果は
- 返事に詰まる
- 質問の答えになっていない
- IT知識が無い人に分からない
- なんか暗い
と、もう思い出すのも顔から火が出るくらい恥ずかしいくらいの出来栄えだったと思います…。
それでも何度も練習を繰り返し、練習結果をまとめて想定質問集も作りあげました。
そのうちに1つ大事なポイントに気づきました。
それは言い回しは違っても質問の軸は同じということです。
「人事部が何を聞きたいか?」はある程度決まっているので、質問がきたときに落ち着いて「これは想定質問のあの内容が聞きたいんだな」と判断し、答えられるようになりました。
面接練習は苦行でしたが、上司に鍛えてもらったおかげで自信を持って面接に臨むことが出来ました。
企業選びと採用された時の話
どんな企業を受けた?

自分は事務職として勤めていた製造業メーカーの中で組み込みエンジニアを目指すことになりました。
そのため、転職サイトに登録したり、他社の求人を見たり、などの活動は行いませんでした。
慣れ親しんだ会社だったのでよかったなと思う反面、いま振り返ってみると組み込みエンジニア以外の道もあったのかもしれないな、と感じています。
採用された瞬間の気持ち

エンジニアを目指してみよう!
と決めてから実に約2年後、スキルアップや試験を乗り越え、晴れて社内転職の試験に合格することが出来ました。
とにかく「こんな大変な試験、来年も受けるなんて絶対無理!」
という思いで突っ走り続けたので、無事に合格できたときは心の底から安堵しました。
未経験からエンジニアになって感じたリアル
仕事の内容・ギャップ

たまに転職の体験談で「当初聞いていた内容と違って開発が出来ない」という話を聞きます。
幸い筆者は、希望通り組込みエンジニアとして製品の開発を担当させてもらえました。自分がプログラミングした製品が誰かの手に届くと思うと、やりがいを感じます。
転職前のイメージと違ったのは「思ったよりプログラムを書いている時間って短いんだな」ということです。
会議や設計、テストに必要な時間がほとんどで、意外とプログラムを書く時間は全体の業務の1割にも満たないくらいでした。
また、やはり仕事としてやる以上は責任が伴うので、プログラムを間違えて不具合(バグ)を発生させてしまうと、原因分析や緊急で修正、顧客への報告など胃が痛くなる仕事もあるのが現実です。
年収やスキルアップの実感

年収は100万円以上アップ
やっぱり転職をして給料が増えたのは最高に嬉しいです。
転職直後の時点では給料は変わらなかったのですが、昇給スピードが早くなり、手取りもぐんぐん上がっていきました。(残業手当がついたのもありますが…)
事務職時代で居続けた場合と比べると、年収100万以上はアップしているのではないかと思います。
仕事を通じてスキルアップも
これまでは勉強することでスキルを習得してきました。
転職後は、仕事を通じてスキルアップが出来るようになりました。
たくさん作って、失敗して、開発が遅れて、納期に追われて、バグ出して、先輩に助けてもらって、毎日ドタバタしながら、少しずつスキルを習得しています。
実務経験は勉強の10倍鍛えられると思います。※個人の感想です
また、スキルを習得したおかげで手に職がつき、今の職場が厳しくなってもきっと別の道も選べる、と思えるようにもなりました。
やっておけばよかったこと(反省点)

自分は正直「転職がゴールだ!」と思ってしまっていたため、無事に合格したあとは一切勉強をしなくなりました。
しかし、エンジニアは日々技術が進化していて、常に勉強が必要な世界です。
そのことを理解できていなかったので、転職後はイメージしていたよりもエンジニアとしてのスキルが伸びていないな…と感じています。
転職はゴールではなく、スタートです。こんな自分が偉そうに言えることではありませんが、この記事を読んでエンジニアに挑戦する人は、そのことを心の片隅に置いて常に学び続ける姿勢を大切にしてもらえたらなと願っています。
これから未経験でエンジニアを目指す人へ

まずは小さく始めることが大切
未経験からエンジニアを目指そうとしている人、目指すかどうか迷っている人へ。
とにかくどんなに小さいことでもいいので、まずは動き始めることが大切です。毎日の小さな積み重ねが、いつか芽を出して少しずつ大きくなって、花になります。

とりあえず独学でC言語を勉強してみよう!
と思った方は、ぜひこちらの「無料でC言語が学べるサイト」の記事も参考にしてみてくださいね。

本気で最短で目指すなら、費用はかかりますがスクールに通うという選択肢もあるので、よければこちらもどうぞ。


自分を信じて一歩ずつ進めば大丈夫
エンジニアを目指すのも、勉強し続けるのも簡単なことではありません。
つまずいたり、挫折しそうになったり、遠回りをすることだってあるかもしれません。
でも、少しずつ前に進んでいます。自分を信じて一歩ずつ前に進めば、きっと夢は叶います。エンジニアを目指すことを決めたけど、やっぱり不安だった当時の自分にもそう伝えてあげたいです。
夢を目指しているあなたを、応援しています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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