組み込みエンジニアに興味があるけど、このさき需要あるのかな…。
「きつい、やめとけ」って見かけるのはなんでだろう。
このような疑問を抱える方に向けて、組み込みエンジニアの自分なりに考えて記事を書きました。
結論から言うと以下の通りです。
- 今後の需要はめちゃくちゃある
- たしかにきついところもあり合わない人もいる
- メリットもたくさんある
組み込みエンジニアは今後も非常に需要のある職業ですし、
- 高収入が目指せる
- 手に職がつく
など、メリットも多いです。組み込みエンジニアを目指すか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
組み込みエンジニアの仕事や給与
主な仕事内容
組み込みエンジニアとは、以下のような製品を開発する人のことです。
- 家電
- 医療機器
- 自動車
- IoT機器
IoT機器について簡単に補足すると、「インターネットにつながる機器」のことです。
スマホやタブレットはもちろん、スマート家電やゲームなど、現代は多くのIoT機器があります。
- ハードウェア開発
- ソフトウェア開発
- システム開発
組み込み開発の特徴は「ハードウェア(物理的な機器)にソフトウェア(プログラム)を組み込む」という点です。
そのため、まず大きくハードウェア開発とソフトウェア開発に分かれます。
ソフトウェア開発を担当していても、ある程度ハードウェアの知識が必要になります。
さらに、複数の製品や装置で1つのサービスを提供する場合、全体を統括するシステムの開発もあります。
- C
- C++
- アセンブラ
組み込み開発では処理時間やプログラム容量(メモリ)に制約があったり、ハードウェアの制御が必要なため、それらに適した上記のプログラミング言語を使用します。
自分も主にC言語、ごくまれにアセンブラを使っています!
平均給与は557万円 [2024年時点]
厚生労働省の職業情報提供サイト:jobtagによると
「システムエンジニア(組込み、IoT)」の年収は約557万円です。
2018年の平均給与が約433万円なので、平均と比較して120万円ほど高い金額となっています。
あくまで平均なので「最初から簡単に高収入!」という訳ではありませんが、スキルを磨くことでステップアップも見込める職種です。
組み込みエンジニアはやめとけと言われる理由
納期が厳しい
製品にソフトウェアを組み込むので、開発が遅れると製品の発売時期に影響してしまいます。そのため、納期が厳しいという特徴があります。
もちろん最初にある程度余裕を持った計画を立てるのですが、想定外のトラブルが2つ3つと発生するとあっという間に日程が無くなり、リリース(納品)直前はいつもバタバタしています…。
残業が多い
バグの発生やトラブルで開発が遅れてきた場合に、以下のような対応があります。
- 人を増やす
- 機能を減らす
- 納期を遅らせる
しかし現実では
- 人を増やす → 増やせる人がいない
- 機能を減らす → 製品の都合上NG
- 納期を遅らせる → 製品の都合上NG
ということが多く、既にいる人の稼働時間を増やす=残業時間が増えることになります。
急な仕様変更対応が必要
「仕様」とは「こういう機能を作ってくださいね」ということをまとめたものです。
仕様が最初から完璧に決まっていればその内容に従って作っていけばよいのですが、実は仕様が完璧なことは少ないです。
なぜなら、ハードウェア、ソフトウェア、システムは平行して開発することも多く、開発途中で問題に気づきどこかで変更が発生すると、他の機能にも影響する場合があるからです。
また「仕様が定まっていない状態で開発の依頼をされて、納期だけはバッチリ決まっている!」なんていう状態もあり得ます。
そのため、仕様を確認しながら開発していても急に変更が発生することも多い、という実情があります。
多重請負で給与が低くなる
多重請負とは、
- 会社A:顧客から開発aを受注
- 会社B:会社Aから開発aの一部を受注
- 会社C:会社Bから開発aの一部を受注
- 会社D:会社Cから…(同上)
というように、頂点で開発を受注した会社から下請けの会社にどんどん開発が流れていくことです。
この場合、下に進んでいくほど給与が低くなります。
なぜなら、各会社で管理費が必要なためです。
就職や転職を考えている場合、このように給与が低い可能性があることに注意しておきましょう。
バグ対応の緊急度が高い
開発が終わって、顧客に納品してホッと一息…と思ったら、顧客の製品テストでバグが見つかった!というようなことも発生します。
この場合、製品が世に出ていく前に修正が必要になるため、場合によっては休日も返上して対応が必要なケースもあります。
組み込みエンジニアのメリット
今後も需要が高い
組み込みエンジニアは、今後も需要が高い職業と考えられます。
理由は以下の通りです。
- そもそもIT業界全体が人手不足
- 組み込みのスキルを持つ人材が少ない
- AIなどの新技術への対応が必要
- IoT普及に伴いセキュリティ対策が必要
- 高性能化して機能が増え続けている
経済産業省の2019年の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には約80万人もIT人材が不足すると言われており、そもそも業界全体として需要が高いです。
また、現代はなんでも非常に多機能、高性能になっていることも大きな要因です。
例えば冷蔵庫ひとつ取っても、昔は「冷やします!冷凍します!」くらいでした。
しかし現代では
- AIが人の動きを読んで冷やし方を変える
- 冷蔵庫に話しかけて買い物リスト作成
- 遠隔で温度やモードの操作
- 扉開閉を監視して見守り機能
など、出来ることがどんどん増えています。その分機能を開発する人が必要なため、今後も需要が高いです。
自分も10年以上組み込み開発をしていますが「本っ当に人手足りてないな…!」と常に思います。どの企業も、優秀な人材を待っていると思います。
高収入が目指せる
一部の企業では、優秀なデジタル人材に高額な報酬を設定する事例が見られています。
例えば、NECは2019年に新卒・中途採用でも年収1,000万円という賃金制度を始めました。
背景には、GoogleやAppleなどの大手企業との人材競争が激しい中、なんとか優秀な人材を獲得したいという思いがあるようです。
このような事例はまだ一部ではありますが、地道にスキルを磨き続けることで高収入も目指せる職種です。
手に職がつく
C系のプログラミング言語やハードウェアの知識など、必要なスキルが多いです。
最初は大変ですが、スキルを習得することで自分自身が成長でき、市場価値も高まります。
もし就職した会社が合わなかったとしても、転職・技術派遣・フリーランスなど、別の道を考えることも可能になります。
残業が少ない企業も
先ほど「残業が多い」ということを書きましたが、働き方は人や企業によるので、もちろんホワイトで残業が少ない企業もあります。
また、最初はバリバリ開発をして、その後は開発業務を支援するような仕事にシフトすることで残業が比較的少なくできる場合もあります。
自分も過去には残業や休日出勤が多かったです。
しかし異動や社内の変化もあり、ここ数年は開発業務であっても残業が月20時間程度、休日出勤0となり、かなり働きやすくなりました。
組み込みエンジニアを目指すなら
まずはC系の言語習得から始めよう
「まったく未経験だけど、やっぱり組み込みエンジニアに挑戦してみたい!」
という方は、とにもかくにもプログラミング言語に触れてみるところから始めてみましょう。
以下の記事で無料で学べるプログラミング学習サイトを紹介しているので、よかったら参考にしてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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