未経験からITエンジニアになった人の体験談が聞きたい!
と思っても、周りに未経験からITエンジニアになった人ってそんなに都合よくいないですよね…。
そこで今回は、筆者自身が未経験で事務職からITエンジニアになった時のことをお話しようと思います。
自分は社内での転職だったため転職サイトの使い方等は語れませんが、
どうやって勉強してスキルを身につけたかはお伝え出来るので、気になる方は参考にしてみてくださいね。
目指した時点の状況整理
身バレ防止のため現時点の年齢や、社内試験の詳細は伏せさせていただきます。
試験を受けたのは何年も前のことになるので、当時のことを思い出しながら整理してみます。
目標:組込みエンジニア
ITエンジニアと言っても、Web系やゲーム、サーバー関係など、数多くの職種があります。
その中で自分は組込みエンジニアになる、という目標を立てました。
理由は単純で、当時配属された部署が組込み開発をしていた部署だったからです。
なので正直に言うと、当時は他の職種があることすらよく分かっておらず、
身近な環境で社内転職できるチャンスがあったのでやってみた!という感じです。
いま振り返ると、若さと勢いで出来たことでしたね…(遠い目)。
転職前のスキル
筆者は事務職から組込みエンジニアになることを志しました。
「試験を受けるぞ!」と決めた時のスキルを整理してみます。
- 基本情報技術者試験:取得済み
- COBOL言語:経験あり
- C言語:経験なし
- Excel VBA:かじった経験あり
あれ、未経験なのに資格とか持ってる…
と思われた方もいるかもしれません。
筆者は商業高校出身で、資格やCOBOL言語はたまたま在学中に勉強できていました。
正直「IT最高!プログラミング大好き!!」というタイプではなかったので、
資格まで取得していたのは本当に運がよかったです。
それぞれの内容について詳しく書きます。
基本情報技術者試験 [取得済み]
経済産業省が認定する国家資格です。公式情報は以下URLを参照ください。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html
筆者は商業高校の情報処理系の学科で、在籍者は全員受験することになっていました。
試験時間は長く(午前90分/午後100分)、勉強用の問題集も分厚くて重かったです。
1年くらいかけて、情報処理の授業で資格対策をしていたと思います。
高校生の筆者にとっては難しく、受験した時の手ごたえとしては
「あ、落ちたな。」
でした。
しかし、期待せずに結果を見たらなんと合格していて自分で驚きました。
今でもなんで合格できたのか分かりません。
COBOL言語 [経験あり]
COBOL言語とは、事務処理用のプログラミング言語です。
基本情報技術者試験でCOBOL言語も必要だったため、同じく高校生の時に授業で学んでいました。
高校生の時には将来ITエンジニアになるとはまったく思っていなかったため、
いやいやながら授業で受けて、自宅ではまったくプログラミングしていませんでした。
今考えると、この時授業で学べていたおかげで少しは基礎が身についていたかもしれません。
C言語 [経験なし]
C言語とは汎用プログラミング言語です。
社内転職で組込みエンジニアになるためにC言語を習得する必要があったのですが、
C言語はそれまで経験がありませんでした。
勉強を始めたばかりの頃
「とりあえずこれ読んどいて」
と上司から既存の製品のプログラムを渡されましたが、
さっぱりチンプンカンプンでググったり質問しまくったりして、
なんとか理解しようと頑張っているレベルでした。
Excel VBA [かじった経験あり]
Microsoft のExcelやWord に VBA という言語があります。
「Visual Basic for Application」の略で、Microsoft製品に搭載されているプログラミング言語です。
人が手作業でやると時間がかかる処理を自動化して効率UPすることができます。
Excel VBAは事務職時代に業務の一環として教えてもらいました。
バリバリ使いこなせていた訳では無いですが、
簡単なプログラムを書いてデータ集計やデータ比較などを行っていました。
この経験も、今思えばプログラミングの基礎として少しは役立っていたかもしれません。
転職するまでにやったこと
ここからはいよいよ、社内転職の試験に向けて取り組んだことをお話します。
- 応用情報技術者試験の取得
- C言語の勉強
- 試験用のレポート作成
- 筆記試験対策
- 面接対策
応用情報技術者試験の取得
経済産業省が認定する国家資格で、基本情報技術者試験よりワンランク上の試験です。
試験を受けた理由は以下です。
- 上司からのすすめ
- スキルアップになる
- 未経験でもスキル証明になる
- 転職先でも取得を推奨
筆者は「社内転職したい!」と思った時、上司にとても恵まれていて応援や指導をしてもらいました。
そんな上司のすすめもあり、客観的にスキルをアピールするため応用情報技術者試験に挑戦することに。
先輩のエンジニアも全員が応用情報技術者試験を取得しているわけではなく、
職場から取得を推奨されていたため「それなら先に取っちゃおう」ということでした。
参考までに、筆者の勉強方法を紹介します。
- テキスト1冊を繰り返し解く
- 応用情報技術者試験ドットコム で過去問を解く
テキストは何冊も買わずに、1冊を繰り返し解くスタイルでした。
応用情報技術者試験ドットコム というサイトは過去問が充実していて
通勤中でも解くことが出来るのでオススメです。
平日はフルタイムで業務があるため、帰宅後や通勤時間、休日に時間を割いていましたね。
あの時の自分、偉かったです。
プログラミングの勉強
社内転職した先ではC言語が必要なため、C言語のプログラミングの勉強をしました。
運が良すぎることに、たまたま社内で開催されたC言語の勉強会に参加し、0から教えてもらいました。
- 開発環境「Eclipse」のインストール
- 最初の一歩「Hello World」を表示
- 基礎を教えてもらう
- 例題を解いて動かす
- [4]を繰り返し
講師1人、受講生3人で定時後に週5時間くらい教わっていたと思います。
半年くらいかけて、よちよち歩きながらも、自分で書いたプログラムが動かせるようになりました。
派手なものを作ったわけではなく、文字のデータを表示したり並び替えたりという程度ですが
それでも自分で書いたプログラムが動いた瞬間はとても嬉しかったです。
プログラミングは独学だと「分からない!」となった時に
聞く人がいなくてやる気も失ってしまいそうなので、勉強会があって本当にありがたかったです。
詳しい内容は専門的になって眠くなりそうなので、ここでは割愛します。
もし要望があれば、思い出しながら書いてみます。
試験用のレポート作成
会社のことなので詳しくは書けませんが、試験を受けるためにレポートを提出する必要がありました。
- 内容は社外秘のため割愛
- レポート作成
- 上司チェック
- 指摘修正
- [3][4]を繰り返す
これもなかなか大変で、事務職時代にはレポート作成の機会がなかったので、
限られた文字数やページ数で、相手に伝わるようにまとめることの大変さを痛感しました。
上司のチェックと指摘修正を繰り返し、心が折れかけながらもなんとか完成させました。
あの時の自分、頑張ったな…。
筆記試験対策
試験は筆記試験と面接がありました。
- 内容は社外秘のため割愛
- 参考問題をひたすら解く!
これも会社のことなので詳しく書けないのですが、応用情報技術者試験やプログラミングとは別の分野の内容です。
すべてを同時に勉強することは出来なかったので、
「まずは応用情報技術者試験」「次は筆記試験」というように1つずつ目標をクリアしました。
正直、やることがたくさんありすぎて疲れていたのですが
「こんなに大変な試験、絶対来年は受けたくない…!」
という思いで、なんとかすべてを一発合格すべく必死で取り組んでいました。
面接対策
こちらも会社のことで詳しく書けないのですが、最終関門として人事部との面談がありました。
- 内容は社外秘のため割愛
- 上司と練習
- [2]から想定質問集を作成
- [2]と[3]を繰り返す
筆者は人前で話すことが非常に苦手です。
ただでさえ苦手なのに、面談ではITの知識が無い人にも分かりやすく説明をする必要がありました。
これも上司に練習をしてもらったのですが、最初の方は
- 返事に詰まる
- 質問の答えになっていない
- IT知識が無い人に分からない
- なんか暗い
と、100点満点中10点くらいの出来栄えだったと思います…。
それでも何度も練習を繰り返し、練習結果をまとめて想定質問集も作りあげました。
そのうちに1つ大事なポイントに気づきました。
それは言い回しは違っても質問の軸は同じということです。
「人事部が何を聞きたいか?」はある程度決まっているので、質問がきたときに落ち着いて
「これは想定質問のあの内容が聞きたいんだな」と判断し、答えられるようになりました。
面接練習は苦行でしたが、上司に鍛えてもらったおかげで自信を持って試験に臨むことが出来ました。
転職を振り返る
スキルアップや試験を乗り越え、晴れて社内転職の試験に合格することが出来ました。
とにかく「こんな大変な試験、来年も受けるなんて絶対無理!」
という思いで突っ走り続けたので、無事に合格できたときは心の底から安堵しました。
かかった期間は約2年
スキル習得や国家資格に挑戦した期間を含めると、社内転職するまで約2年間かかりました。
合格できた理由をまとめます。
- とにかく周りの人に恵まれていた
- 運がよかった
- がむしゃらに挑戦し続けた
特に上司には本当に恵まれました。
上司は業務が多く忙しかったのに、レポート作成や面接練習などにたくさん時間を割いていただきました。
また、プログラミングを身近で学べる環境があったのは運がよすぎたくらいです。
筆者自身も、他のことは考えずプライベートの時間をほぼすべて注いで勉強し続けていました。
今では考えられないので、当時の自分にも感謝したいです。
転職のメリット
- 念願の組込み開発を担当
- 仕事でもスキルアップ
- 給料が増えた
念願の組込み開発を担当
たまに転職の体験談で「当初聞いていた内容と違って開発が出来ない」という話を聞きます。
幸い筆者は、希望通り組込みエンジニアとして製品の開発を担当させてもらえました。
自分がプログラミングした製品が誰かの手に届くと思うと、やりがいを感じます。
ちなみに「プログラミングする時間って意外と短いんだな」というのが実際に開発した感想です。
要求分析、設計、評価など、プログラミング以外にやることがたっぷりでした。
仕事でもスキルアップ
これまでは勉強することでスキルを習得してきました。
転職後は、仕事を通じてスキルアップが出来るようになりました。
たくさん作って、失敗して、納期に追われて、バグ出して、先輩に助けてもらって、
毎日ドタバタしながら、少しずつスキルを習得しています。
実務経験は勉強の100倍鍛えられると思います。※個人の感想です
給料が増えた
きれいごとを色々書きましたが、やっぱり給料が増えたのは最高に嬉しいです。
社内転職した時点では給料は変わらなかったのですが、
昇給スピードが早くなり、給料もぐんぐん上がっていきました。
(残業手当がついたのもありますが…)
事務職時代で居続けた場合と比べると、年収200万くらいはアップしていそうです。
転職のデメリット
- 燃え尽き症候群になった
- 責任が重くなった
- 残業が増えた
燃え尽き症候群になった
転職のデメリットというより、筆者の性格の問題なのですが…。
「絶対に転職する!」と転職をゴールと考えて走り続けました。
そのため、合格したら安心しきって燃え尽きてしまい、仕事以外での勉強をまったくしませんでした。
そしてここ最近になってやっと、「エンジニアは一生勉強だったんだ」ということに気が付いて
合格してからももう少し頑張ればよかったなぁと思っています。
これからエンジニアを目指す方は、ぜひ転職はスタートだと考えて取り組んでみてください。
責任が重くなった
実際に働いてみると、責任はかなり重くなったなと感じました。
なにごとも仕事で対価をもらう以上責任は伴いますが、想像以上の大変さでした。
特に不具合が見つかった時には、原因究明や再発防止、顧客への報告など、胃が痛くなる日々が続きます。
普段の開発業務に追加してバグ対応をすることになるので、開発の計画も見直す必要があります。
そのため、不具合を埋め込まないようにレビューで厳しくチェックしてもらったり、
何度も評価して正しく動くかの確認を徹底します。
残業が増えた
残業時間が増えて忙しい時期は月に80時間くらい残業していました。
転職するまで勉強や試験対策で月に80時間以上使っていたため、平気かと過信していたのですが
睡眠時間も短く食事も適当にしていたため、一度身体を壊しかけてしまいました…。
現在は働き方改革もあり、筆者もプライベート重視な考えにシフトしたので、
残業時間も減り体調もよくなり、バランスが取れた生活が出来るようになってきました。
結論:なんやかんやで転職してよかった
組込みエンジニアのお仕事は、実際やってみると想像以上に大変でした。
正直「なんで社内転職しちゃったんだろう…」と思うこともありました。
先輩エンジニアに「なんでこっちきちゃったの!」と言われたこともあります。笑
しかし、数年経った今振り返ってみると、仕事を通じて自分が成長できたことは間違いないです。
そして給料も上がったので、金銭面での心のゆとりも出来ました。
苦しいこともたくさんありましたが、そのおかげで少しは鍛えられた自分があるので
なんやかんや転職してよかったなあ、と今は思います。
最後に
今回あらためて転職を振り返って、意外と色々頑張っていた当時の自分を褒めてあげたくなりました。
未経験からエンジニアになるのは決して簡単ではなく、「みんなオススメだよ!」とは言えません。
しかし、熱意とやる気があれば未経験からでもエンジニアになることは可能です。
今悩んだり迷っている人の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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